ジャイアンツの打順を考えてみた。

今シーズン好調であるが打撃面の采配に様々な意見が飛び交っているジャイアンツの効率がよさそうな打順を考えてみた。

 

近年、様々な研究によりそれぞれの打者の適性打順というものが明らかになりやすくなってきた。

 

 

 

特にセイバーメトリクスが注目を浴びるようになった。これは野球を統計学に基づいて分析をすることである。

 

セイバーメトリクスによるとそれぞれの打順ごとの重要性のイメージは次のとおりである。

 

 

1番:最も優れた打者(出塁力寄り)

2番:最も優れた打者(出塁力寄り)、併殺を回避できる、一定の走力があるとなお良い

3番:2アウトで打席が回ることが多く、最優秀打者を置いても生きない可能性が多い

4番:最も優れた打者(長打力寄り)

5番:第2群の打者

6番、7番、8番、9番:打力順

 

出典2番打者には強打者を… よく聞く説の根拠とは? | Full-Count

 

 

このことから1・2・4番が最も重要な打順であり、1番は出塁率重視、二番はそれに加えて併殺を避けやすいように走力もある選手、4番は走者、アウトともにかさんでいる状態での打席が増えるため、長打力のある選手を起用するとよいことがわかる。

 

3・5番は、1・2・4番に次ぐ打者を配置すべきである。

 

 

 

 

 

 

 

次にジャイアンツの今シーズンの打撃成績を見ていこう。この成績は2024年3月29日~4月24日の成績を反映している。

 

出塁率(試合数以上の打席到達者のみ)[2023年セリーグ平均出塁率.306]

.383 岡本和真(94打席)

.354 オコエ瑠偉(48打席)

.348 丸佳浩(69打席)

.313 門脇誠(96打席)

.302 坂本勇人(86打席)

.284 吉川尚輝(88打席)

.274 佐々木俊輔(62打席)

.266 萩尾匡也(64打席)

.265 大城卓三(49打席)

.182 小林誠司(22打席)

 

 

 

長打率(試合数以上の打席数到達者のみ)[2023年セリーグ平均長打率.362]

.500 岡本和真(94打席)

.419 萩尾匡也(64打席)

.372 オコエ瑠偉(48打席)

.308 坂本勇人(86打席)

.306 門脇誠(96打席)

.292 大城卓三(49打席)

.285 佐々木俊輔(62打席)

.271 丸佳浩(69打席)

.250 吉川尚輝(88打席)

.111 小林誠司(22打席)

 

 

 

 

打点、得点圏打率、三振率、併殺数(試合数以上の打席数到達者のみ)

13 .412 .191 2  岡本和真(94打席)

8 .286 .266 0  萩尾匡也(64打席)

6 .105 .174 2  坂本勇人(86打席)

5 .136 .091 0  吉川尚輝(88打席)

3 .200 .242 0  佐々木俊輔(62打席)

2 .250 .167 0  門脇誠(96打席)

2 .182 .136 0  小林誠司(22打席)

2 .167 .142 2  大城卓三(49打席)

2 .167 .087 1  丸佳浩(69打席)

2 .125 .208 1  オコエ瑠偉(48打席)

 

 

 

 

 

 

 

これらの成績とセイバーメトリクスをもとに打順を組んでみた。

 

1(右)丸佳浩    出塁率3位、三振率が低い

2(中)オコエ瑠偉  出塁率2位、長打率3位

3(遊)門脇誠    出塁率4位、打席数のわりに併殺打が少ない

4(一)岡本和真   出塁率1位だが長打率も圧倒的な1位

5(三)坂本勇人   出塁率5位、長打率4位

6(左)萩尾匡也   長打率2位、出塁率に欠けるものの長打力は非常に高い

7(捕)大城卓三   

8(二)吉川尚輝   

9(投)

 

 

このような打順が良いのではないかと考えた。

 

 

丸とオコエ出塁率だけ見ると1・2番は逆であってもいいのではないかとは思うが、丸の三振率の低さ、オコエ出塁率長打率の安定具合からこの1・2番にした。オコエ二塁打が3本、盗塁も1つ記録しており、丸と同じ併殺数ではあるもののこの順のほうが併殺も減るのではないかと思う。岡本を2番という考えもあるだろうが、併殺を防ぐという観点から岡本を4番に置くこととした。その場合、1番から上位打線をジグザグの打線を組むことができる。

 

各順位から見て第2群に入る選手となると坂本、門脇になると思う。3番を門脇にした理由は1・2番に出塁率が高い選手を置いたため、併殺が少ないこと、上位打線がジグザグになること、犠打数がチームトップの5を記録していることが理由に挙げられる。坂本は岡本の後を打つ打者として、適任なのではないかと思う。

 

4番はやはり岡本ではないかと思う。出塁率1位でもあるが長打力もとても高いことが最大の理由である。

 

6番以降はそれぞれの数値を見て順に並べた。

 

 

 

今回はセイバーメトリクスもとに開幕から1か月の現在のジャイアンツの打順を組んでみた。打順は正解というものがあるものではないと考えているが、こうしてデータだけを見て打順を組んでみるのも楽しいと感じた。

 

打席数の違いや試合数以下の打席数の選手もたくさんいることを忘れてはならない。打席数がぎりぎりの選手やオープン戦で記録を残している選手もいる。

 

現在、セリーグの2位を走るジャイアンツは阿部新監督になりどのような成績を残すのだろうか。